麗しのキスシーン 第1話



<早朝 ジョートショップ>

今日のジョートは朝が早かった。
日の出と共に目を覚まし、まずは太陽に向かって『おはようございます』。
そしてパンと目玉焼きを1人分(←ここ重要)つくり、ティーカップに水をいれて依頼表と睨めっこをしながら朝食をほうばる。

「優雅な朝だ………」

誰に呟くでもなく、バカな一言を呟きながらボーっと時間をつぶしていた。

暫くして………

「なにやってんだ?こいつは…」
「起こしちゃダメッスよ、珠呂さん」

一般的な朝と呼ばれる時刻になりアリサは元より珠呂も起き、そして一回のダイニングに下りてきた。
そこで彼は見た。食い散らかされたパンと卵焼き、そして………

「いや、でも何でジョートはテーブルにうつ伏せて寝てるんだ?」
「さぁ?きっといつもの気まぐれかなんかじゃないスか?」
「それにしてもこいつ、アホだろ?」
「そうッスね。」
「あらあら、そんな事言ったらジョートクンに失礼よ。」

二人の会話を台所からひょっこりと顔を覗かせたアリサがなだめる。

「そうッス、失礼ッス。珠呂さん、ジョートさんに謝るッスよ。」
「おまえ、相変わらず『自主性』と言うものが無いな。」
「無いッス。」

相変わらず自主性0のテディはコロコロ意見を変え、いい加減珠呂も呆れる。
それを見ていたアリサはやさしく見ながら『フフフ』と笑って

「そろそろ朝ご飯にしましょうか。」

と台所へと戻って行った。

『ご飯』という言葉が聞こえたのか、ジョートの体が『ピクリ』と動き、数秒後………

「めぇ〜すぃ〜………」

とむっくりと起き上がってきた。

「お、おまえ今しがた食ったばっかりじゃねぇのかよっ!!?」
「喰った。けど寝たらまた腹減った。だから喰う。」
「喰って寝て起きたら腹減ったて、おまえどう言う腹してんだよ!!?」
「知るかそんなもん。俺は腹が減ったら飯を食う。眠くなったら寝る。なんか文句あっか?」
「ああ…もぉ…ねぇよ。」

精も根も疲れたらしい。ジョートの相手をまともにしている珠呂は疲れる。
一方のジョートの方は台所へと食器を持って行き、新しい朝食の乗せたお盆を持って戻ってきて並べる。
こうして本日のジョートショップの朝は始まった。

「「「「いただきます(ッス)」」」」

4人の声が朝食の開始を告げる。そして、ジョートが朝飯を食べるときのいつもの光景が繰り広げられる………

「テメェ―、俺のオカズにちょっかい出すなって、あれほど言ってるじゃねぇか!!」
「ん?何の事?シーラちゃんにはちょっかい出してないよ。って言うか出せねーし。(←男の子発言)」
「そっちの『オカズ』じゃねぇ!!!!(←さらに男の子発言)」

珠呂からかっぱらったオカズを口に含みつつ、ジョートはしらばっくれた。
おまけにビミョーに問題が掏りかえられている。が、頭に血が上っていてその事に珠呂は気付かない。
軽く誘導尋問に引っかかっている事に本人は気付いているのだろうか………

「じゃあどの『オカズ』よ?」
「朝飯のだ。ちゃっかり俺の好物だって解ってて手ぇ出すんだから…」

主呂半泣き。どうやら楽しみに取っておいたらしい。ジョートはそれを解っていて隙をついてオカズをかっぱらう。
目に涙をためて主呂は言葉を続ける。

「俺のオカズ返せっ!!」
「解った。」

静かに了解するとジョートは席を立ち主呂の傍に立った。
『?』マークを浮かべる主呂の顔を、ジョートは『ガシッ!!』と掴んで『ゆっくりと味わえ』と呟き………

ぶっちゅうううううう〜〜〜〜〜〜チュルチュルクチュクチュレロレロ……

自分の唇を思いっきり珠呂の唇に当てた。
そして今まで口に入れていたオカズを主呂の口の中に逆流させ、ついでに下を絡めて涎も一緒に突っ込む。
しばらくリビング中に卑猥な音が響き渡った。
テディはあまりの光景に固まり、アリサは『あらあら、二人共仲がいいのね』とピンボケた事を言っていた。

やがてジョートは主呂の唇を離し、顔を開放した。

「ごっそーさん。」

と言って席に戻ったジョートは何事も無かったかのように、再び朝食を再開。

「ジョ、ジョートさん…?」
「なにか?」
「なんでも無いッスぅ〜」

果敢にも声をかけたテディは、ジョートのどこかへ逝っちゃった目つきに圧倒され、また身が固まってしまったそうな………
そして被害者珠呂はと言えば………

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」

と情けない声を上げてトイレへと駆け込んでいってしまった。
そりゃ逃げたくもなるわな。




あとがき
珠呂君に幸あれ、続きます

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