満月衛星。
ss
- 朋也くんとメイドさん達
放課後。
いつも通りに演劇部室へ入ると……
「お帰りなさいませ、御主人様〜」
メイド服を着た杏が満面の笑顔でトチ狂った台詞を吐いて、俺を出迎えてきた。
……って、えっ!?メイド服!!?
『朋也くんとメイドさん達』
ガラガラガラ、ピシャン。
ふぅ〜、そこには誰も居なかった、俺は何も観なかった。
杏みたいなのがメイド服を着て満面の不気味としかいい様の無い笑顔で俺を出迎えたような気がするが、きっと幻覚幻聴だ。俺は疲れてる。
疲れているなら休むのが一番だ、よし、帰って寝よう。そんなわけで自己完結、完了。さぁ〜って、部室には誰も居ないみたいだし、俺は疲れてるから、家帰って寝るとするか。
そう思って踵を返したところで、誰も居ないと思いたい演劇部室のドアが自動で開いた。
「と〜も〜やぁ〜」
そこからとってもとっても恐ろしい形相で杏が這い出てきた。泣いた子供もショックで気絶するぜ? あな恐ろしや。
そのままニッコリとした表情に変形させる。妙にきれいな笑顔がまた恐ろしい。
「こんなかわいいメイドさんが向かえてくれたのに、なんでドアを閉めるのかしらねぇ〜」
「アホ、いきなりそんなカッコで出迎えられりゃ、引かねぇ方がおかしいっつーの。大体なんだよその格好?」
「似合うでしょ? ちなみにあたしだけじゃないわよ」
そう言ってドアからどいた杏越しに部室の中をみると、はやり同じような格好のメイド服を来た部長と藤林とことみが全員ハズカシそうに頬を赤らめて突っ立っていた。
とりあえず部室に入る。片付けられた学校の教室に、メイドさんルックをした生徒が4人。…………シュール以外の何物でもなかった。
「何やってんだ、お前ら?」
「え、あ、う、その……お帰りなさいませ、御主人様」
「お帰りなさいませです、御主人様」
「お帰りなさいませなの、御主人様」
「何をやってんだ?」と訊ねたはずなんだが、3人とも俺と目が合うと一様に頭を下げて言ってきた。
状況が把握できん。とりあえず、言い出しっぺであろう杏にことの説明を聴いてみるとする。……まぁ、まともな回答はえられんだろうが。
「オイ、言い出しっぺ」
「何よ?」
「これは一体どーゆーこった?」
「観ての通りよ、解んない?」
「わかんねぇから聴いてんだよ」
「あんた、あたし達の着てる服来てなんだか解らない?」
そう言ってその場をクルリと一回転する。妙に様になってる。
白いフリルの付いたカチューシャ、ゆったりとした黒いワンピース、それに加えてカチューシャと同じようにフリルの付いたエプロン。
誰がどう観ても間違えることなくメイド服だった。
「メイド服……だな」
「そう、メイド服よ。そんでもってあんたが御主人様」
「なんでじゃっ!?」
「だってあんた、いつもことみにこんな服着せて『御主人様』って呼ばせてるんでしょ?」
「誰がンなことするかっ」
「でも、あ〜んなことや、こ〜んなことしてるんでしょ?」
「それはこれから……って、あっ」
ヤバイ、自らの前方後円墳を作っちまった。気付いた時には遅く口を滑らせた俺をことみ以外の三人がなんとも言えないくらいに冷たい視線で俺を射抜く。
し、しまったぁ……
「はめられた……」
「あんたが自分で墓穴掘ったんでしょうが」
「あ、あの……遅刻した時にはちゃんとフォローしますから」
「岡崎さん、ええ〜っと……ほどほどに」
藤林フォローしなくていい。それでは多分フォローではなくて磔になってしまう。
ンでもって古河よ、ほどほどにて……
「さてと……」
悪魔が微笑む。
「御主人様のあ〜んなことや、こ〜んなことについて、詳しくお聞かせ願おうかしらね」
そして、メイドさんによる御主人様への質問と言う名の尋問が、今、始まった。
おわり
---あとがき---
あまりにもしょうも無い話しなので、CLANNAD SSリンクには登録せんと、ここでひっそりと埃を被っていただこうと思います。
まぁなんちゅーか、リハビリ作品だとでも思ってくださいよ。こー言ったどーでもいいようなものを創るのも、たまにはありかなと。
杏以外はほとんど喋っていない、そもそも居た意味があったのか?と思うような作品ですよ。我ながら、笑うしかございません。
お目汚しを失礼しました。
それではそれでは、ここまで読んでくださった方々に沢山の感謝を込めつつ、今回はこの辺で。ではまた〜
(05/05/31)
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