祭り、後…



更紗の歓迎会が終わってから2週間が経った。
今現在ジョートショップは何時もの落ち着きを取り戻してはいた。皆には相変わらず代わりは………有った。
ジョートが熱を出して寝こんだのだ。理由は…『過労』だった。

実はあれからと言うものジョートと更紗は余りあっていない。由羅との契約が切れて二人が何時もの生活に戻った事と『2割引期間』が原因だった。
ジョートが2割引期間を設けていたのは1週間だったが、その間に消化されなかった依頼を『依頼されたからには消化せねば』と言う理由からジョートはサービス期間が終わってからも、せっせと2割引で請け負った仕事をこなしていた。

その結果、『過労』で彼はぶっ倒れたわけである。

最初に発見したのは勿の論、更紗。
暖かい日差しにつられてジョートに逢いにたまたま昼にジョートショップに来た所、倒れていたジョートを発見して彼をベッドまで運ぼうとしたが、体重差が有りすぎたため結局更紗はクラウド医院まで大慌てで走ったのだった………


「過労から来た熱だな。」

一通りの検診を終わらせたトーヤは淡々と更紗に言った。

「ジョートは大丈夫?」
「ああ、軽いものだからな。心配は要らない。それよりもどんだけ働かせたらこいつはこんなになるんだ?」
「解らない…最近ジョートに逢ってなかったし。」
「そうか…」

心配そうにジョートを見つめる更紗にトーヤは言った。

「なにはともあれ、おまえが傍に居てやる事だ。それがジョートにとっても、おまえにとっても一番いい事だろう。」
「うん。」
「じゃあ俺はもう行くが何か合ったらすぐに連絡しろ。」
「あ、お金…」

荷物をまとめて去ろうとするトーヤを引き止めて更紗は治療費を渡そうとしたが、トーヤは受け取らずに『俺もそいつには世話になったからな、その礼だ。』と言って受け取らずに出ていった。
そんなトーヤを更紗は頭を深く下げて見送ったのだった。


寝ている…と言うよりは気を失っていると言った方が正確か…ジョートを見ながら『久しぶりにジョートの顔見るかも……』などと考えながら更紗はジョートの顔を覗きこんでいた。
(なんでこんなになるまでジョートは働いたんだろう)
フとした疑問が更紗によぎった。普段のジョートだったら、自分や周りの体力の事にはちゃんと気を配るはずである。
そのジョートがここまでやるなんて(…何かあったのかな…)そんな事を考えながら更紗はうとうとしてジョートのベッドにうつ伏せて眠りに落ちた。

更紗が目を覚ますと窓には紅い夕焼けと‘カァー、カァー’と鳴く烏が夕暮れを知らせていた。
眠い目を擦りながら更紗は体を起こし、そこである事に気が付いた。自分が何故かベッドで寝ている。ここには確かジョートが寝ていたはずである。
更紗は慌ててベッドから飛び起きるとジョートを探そうと辺りを見回した。色々な場所を探さずとも、すぐにジョートは見つかった。
ジョートは床で毛布一枚にくるまって眠っていた。さっきの様な気絶したようなものではなく、今度はちゃんとした不規則な寝息が聞えている。

「良かった…って良くないかも。ジョート、ジョート起きて、そんな格好で寝てなら今後は風邪引いちゃうよ。」
「う?」

更紗は体を揺すってジョートを起こそうと試みたが、寝ぼけたジョートの表情を見て更紗は思わず『カワイイ…』などと思ってしまった。が、すぐに気を取りなおして、再びジョートの体を揺すった。
相変わらず寝ぼけてはいたが、ジョートはとりあえずむっくりと起きた。そして更紗を見ると『わ〜い、さらさがいるぅ〜』と言って彼女を抱きしめて、そのままベッドにばったりと倒れこんでそのまま寝てしまった。

「ジョォ〜トォ〜…」

更紗は情けない声を出しながら最初はもがいていたが抜け出せそうにもない事を悟って諦めてジョートに抱かれる事にした。
でも別段イヤとは思わなかった。むしろ久しぶりにこうしてジョートと触れ合っていられて嬉しいくらいだった。
ジョートの温もりを感じたまま更紗もまた眠りに身を委ねる事にした。


仕事が終わってショップに戻ってきたアリサ達は依頼書が入ったファイルから依頼書が減っていない事に気が付いて、今日はジョートが仕事に出ていない事を知った。

「ジョートクン、起きてる?入るわよ?」

反省会も終わり、その日働きに来てくれていたメンバーも帰った後、夕飯時になってジョートを呼びに来たアリサはそう言って部屋に入ると『まあ…』と言って手に口を当てた。
『ご主人様、何かあったスか?』アリサの声を聴きつけて入ってきたテディは『うわぁ〜おッス〜』と言って目を思わず手で当ててしまった。
二人の声を聴いて『どうしたんですか?』と言って入ってきた珠呂は、抱き合ったまま寝ているジョートと更紗を見て『ンガッ…』と言ったまま固まった。

「いや、でも別にやましい物を見てるわけじゃないからなぁ…」

暫くすると我に帰った珠呂が言って、少々顔を赤くしながら部屋から逃げるように出ていった。
そう、別にやましい物を見ている訳ではないのだが、妙に二人の寝ている姿が見ていてテレてしまう雰囲気をかもし出していた。

「でもなんか見てるこっちがテレて来るッスよ。」
「二人ともカワイイからいいんじゃないかしら?」

クスクス笑いながらテディを抱き上げてアリサは言った。

「ご主人様、ジョートさん達どうするッスか?」
「そうね、ここまま起こすのも悪いからもう少しそのままにしておいてあげましょう。」
「ういッス、お邪魔虫は消えるッス〜」
「でも、その前に…」

そう言ってアリサは二人に毛布をかけて音を立てないように部屋から出ていった。




インタールード?……
続きます
以上。




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