みるく
深夜………
「う…う〜ん……」
そう言ってルシードは目を覚ました。寝苦しい…と言うのではなく何故か寒い。今は雪の降るような季節では無いはずだよな…。
そんな事を考えながら夜食にカップ麺でも食べ様と企んだ彼は上に一枚着込んで足早にリビングへと向かった。
リビングに行くと何故か明りがついていた。影がもぞもぞと動いている。冷蔵庫でも開けて中を物色しているのだろう。
ルシードは‘粗方バーシア辺りがなんかつまもうとしてるんだろ’とか思いながら『おいバーシアっ!こんな夜中に食いもん食ってっと太るぞ!!』と煽ってみた。
するともぞもぞと動いていた影が『ティセはバーシアさんじゃありません〜。ティセですぅ〜』と震えた声で言った。
驚いたルシードは
「ティセ?こんな夜中にどうした?」
と聴くとティセは相変わらず震えた声で喋り始めた。
「寒かったんで御風呂に入ろうと思ったんです。だけどお湯がなかなか溜まらないから待ってる内にお腹が空いて…チョコを食べ様と思ってここに来たですぅ〜。」
「で、なに震えてるんだよ?これじゃまるで俺が脅してるみたいじゃねぇか。」
「あう〜、メルフィーさんが言ってました〜。夜遅くに物を食べるとオバケが出るって…」
「俺はオバケか…」
呆れながらルシードはそう言って『向こうで座ってちょっと待ってろ』とティセをテーブルに座らせると、おもむろに冷蔵庫から牛乳と、別の棚から蜂蜜とマグカップを二つ、取り出した。
そしてマグカップに牛乳を入れ、蜂蜜を混ぜてレンジで暖めた物をティセに渡した。
「それ飲んでさっさと寝ろ。」
「ほえ?これはなんですか?」
「あん?蜂蜜入りのホットミルクだ。メルフィには言うなよ。後々どやされんのは俺なんだから。」
「ハイですぅ〜」
元気に返事をするティセだったがルシードは‘無理だろうな…’と考えながら自分の文のマグカップに入れたホットミルクを飲み干す。
フと気が付いてティセの方を見ると『ZZZZZZZZ……』と言う寝息と空になったマグカップが置かれていた。
『はえ〜よ…』そんな事を呟きながら『部屋に運ぶの……俺か?』と誰もいないと分かっていても回りを見渡してしまう。
改めて一人である事を確認するとルシードはティセを背負って部屋にまで運んだ。風邪を引かないように毛布をかけて、部屋から出ようとすると風呂場から水の流れる音が聞こえてくる。
「そう言えばアイツ、風呂沸かしたとか言ってたな……って事はもしかして…」
そうヤな予感がしながら急いで風呂場に行くと、ルシードの予感はやはり的中していて浴槽からお湯が溢れていた。
ルシードは慌ててお湯を止めて一安心すると、無性に怒りが込み上げてきた。
『あんの馬鹿がぁ〜…』といつも通りの口の悪さを爆発させ、文句の一言でも言ってやろうとティセの所に戻ったが、安心しきって眠っているのを見ると怒る気が失せてしまった。
「ば〜か」
そう一言呟いて軽くデコピンをすると、ティセは『うにゅ〜』と言って寝返りを打った。
その姿を見てルシードは微笑を浮かべると、物音を立てないようにして部屋から出た。
翌朝………
「ほう、そんな事があったのか、ルシードもだいぶご主人様らしくなったじゃないか。」
「ホントホント、いつもそれくらい愛想があるといいのにねぇ」
「でもホントめっずらしぃ〜、なんか悪いもんでも食べたのルシード?」
ルシードが入れてくれたホットミルクがよほど嬉しかったのか、ティセは早速皆に嬉々として話した。
「ルシードさん…ちょっと話しがあるんだけど……。」
ニッコリとそう言うメルフィを見ながらルシードは顔を青くして『やっぱりこうなるのな…』と呟き、ティセの方を見る。
ティセの方はと言うと今日も元気に仕事をこなして(?)いた。
こってりメルフィに絞られて疲れ果て、2階の談話室のソファーでぐったりしているとティセが下からコーヒーを持ってきた。
「ご主人様、コーヒーをもってきたです〜」
「珍しいなティセがこんな気の効いた事するなんて。」
少々嫌味っぽくなってしまっているがこれがいつものルシードの口調だったりする。ティセの方も気にした風でなく相変わらずの笑顔で答えた。
「ハイ。フローネさんがご主人様が疲れてるだろからって言って創ってくれたんですぅ〜」
「ああ、ナルホド。」
妙に納得しながらルシードはコーヒーを啜る。ティセの方を見ると隣のソファーにチョコンと座ってなにか言いたそうな顔でこちらを見ている。
「あんだ?」
とルシードがティセに言うと、ティセは
「またホットミルク作ってください。」
と控えめに言った。ルシードはそんなティセを見て一瞬優しく微笑んだように見えたが、またすぐに何時もの仏頂面に戻って『気が向いたらな』と言ってティセの頭をクシャクシャとな乱暴に撫でつけた。
ティセは『ハイですぅ〜』と元気のいい返事を笑顔でしてルシードが撫でた頭に手を当てた。
ルシードはと言うと階段側まで行き下に向かって叫んだ
「いつまでも人様の会話を聞いてねぇでさっさと仕事しろ〜〜!!」
『きゃあ〜』とからかうような悲鳴が蜘蛛の子を散らしたように散ってしまうと、ルシードはポリポリ頭を掻きながらティセの方に向き直り『気が向いたらだぞ』ともう一度言って作業室へと行ってしまった。
ティセもそれを聞いてもう一度笑顔で元気よく『はいですぅ〜』と返事をすると自作の歌を歌いながらルシードが置いていったカップを下へと持って行った。
こうしてブルフェザーの1日は今日も過ぎて行くのだった………
HAPPY? AND END?
あとがき
ハイ。短いですがこれで一応完結です。短い上に駄文でスンマセン。
もちっと長くなるかなぁと考えとったんですがこれでイッパイイッパイです。
勘弁したって下さい。
でもティセで話しって書けるもんですね。
書いた自分にちょっとビックリです。
じゃ、
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